先生からは褒められた記憶のない私。

親からもそんなに褒められてはいない。

父からはさんざん叱られていた。

しかし、父からは褒められた記憶がちゃんとある。

「おまえは寝起きがいい」

大きくなってからは「おまえの餃子はうまい」

まー 2こしか、覚えていないんだけど……

とにかくこのことはしっかり覚えている。

いつも怒られてばかりだから、褒められたことは強烈な印象で覚えている。

やっぱり褒められるのは嬉しい。

だけど、なんだか自分で言うのもなんだけど、けなげだなーと思う。褒められたふたつのことを、大事にずっと覚えていた。

我ながら、かわいいところもある。

だけど、その他は、かわいくないと言うか、気が強い子どもだった。

かなり反抗的で、自分で納得がいかないと、言い返したり、怒ったり……そうとう扱いにくかったと思う。

正義感は強いし、父が世間体を気にする発言をすると、世間体より、大切なことがあると反発していた。

思い出すと、トルネードケントより、育てにくかったんじゃないかと思ったりする。

父が怒るのも無理はないなという気にもなる。

しかし、それに引き換え、母はこんな私を否定せずに育ててくれた。

悪いことをして、叱られたことは覚えているけど、人格否定されたことはただの一度もない。

かなり憎たらしいこともしていたから、母としては、はらわたが煮えくり返るようなことはあったと思う。

でも、いけないことだけを叱られて、「あなたはダメな子ね」と言われたことはない。

でも、私がおとなになってから、母と話すと、母はどうやら、私のことを「いい子だわ」と思っていたようだ。

さっき書いたとおり、正義感が強く、理不尽なことに対して、怒るのであって、わがままは言わない子だったらしい。

つまり、おとなになってもあまり変わっていないわけだ。

あまり褒められたこともなく、どちらかと言うと怒られることが多かった。

そして、自分には全く自信はなかった。

それなのになんとか今の私があるのは、母だけは私を否定しなかったからじゃないかと思う。

否定されるって辛い。

「あなたはそのままのあなたでいい」そう言ってほしい。

そのままでいいって言われたら、「私、もっと成長しよう」って思うから……