マーカーのキャップ

三男が幼稚園の時の話。

幼稚園には送り迎えしていたので、私は毎日幼稚園に行っていた。

幼稚園が終わってから、三男は決まって園庭で友だちと遊んでいた。

それをのんびり待っているのだけど、その時に担任の先生が毎回いらっしゃって、私にお話をなさる。

「堀内君は、マーカーのキャップをしめません。お道具箱は開けっ放し。右手にハサミを持っていても、左手に何かを持つとハサミは落とします。何もかもやりっぱなしで困っています……」

これを毎日聞かされた。

まー 謝ることくらいしかできなかった。

本人に言っても、改善しない。

と言うか、私はそのことをあまり気にしていなかった。

言い訳のようだけど、子どもが4人いると、毎日様々なことが起こる。

その頃すでに、長女は不登校だったし、長男も毎日のように遅刻していた。

次男も一日おきに登校って感じだった。

毎日元気に登園して、お友だちといつも楽しそうに遊ぶ三男を見ると、私はほっとしていた。

マーカーのキャップをしめないくらいどうでも良かった。

申し訳ないが、先生が一生懸命言って下さっても、真剣に三男がマーカーのキャップをしめることとか、お道具箱のふたを開けっ放しをどうにかしようとは思っていなかった。

改善されないから、先生は毎日のように、私に同じことをおっしゃった。

 

できないところから

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ところがある日、先生は違うことをおっしゃった。

「お母さん、私はあきらめました。堀内君がマーカーのキャップを自分でちゃんとしめることとか、あきらめました。堀内君は友だちがケンカをしているといつも上手に仲裁してくれます。そういう堀内君の良い所を私は見ることにしました」

 

それっきり、先生はマーカーのキャップのことをおっしゃることはなかった。

多分、三男は相変わらずだったと思うけど……

 

先生は三男のできないところから、良い所にフォーカスして下さった。

ちなみにその時、三男はADHDの診断はされていなかった。

だから、先生も「この子のだらしないいい加減なところはどういうことなのだろう?」と思われたのだと思う。

 

でも診断されていても、いなくても三男は三男。

苦手なところもあれば、すばらしいところもある。

 

三男は幼稚園の帰り、園庭で遊びながら、帰ってから誰と遊ぶか毎日約束をしていた。

なので、そのままそのお友だちのところに遊びに行く。

私はいつも一人で帰り、夕方になって、お友だちの家に三男を迎えに行っていた。

どのお宅でも「堀内君がいると、あまりケンカにもならず、平和に遊んでいるから助かる」と言われた。

 

先生が三男のできないことから、良いところを見るようにしてくださったことは、本当にありがたいことだった。

 

おかげで三男は伸び伸びと幼稚園生活を送ることができた。

 

めでたし めでたし (^_-)-☆

 

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